特別なことをするために、特別なことをするのではない。
特別なことをするために、普段通りの当たり前の事をする。

<イチロー>


多くの銘柄が高値更新しています。今、買いたいと思っている人は、押し目を待つか今すぐ買うかの葛藤があるでしょう。
すでに買っている人は、含み益を確定利益として手にしたいと思う反面、まだ上がるんじゃないかと気を揉んでいるかもしれません。勝手に高すぎると思い込み空売りを仕掛けた人は、膨れる含み損に慌てて損切りを実行しているでしょう。
今のような強い相場にあって、「もっと儲ける方法はないのか?」と、やきもきしている投資家は実に多い。
評論家やアナリストは、明日上がりそう、下がりそうと、上げ下げの理由を探していればいいですが、我々実践家は冒頭のイチローの言葉のように、「特別なことをする必要は何もない」ということです。
3回に2回負けても損しない方法を以前記事で書きました。2回負けても損しないことがわかれば、少しの含み益程度で慌てて利食う必要はありません。
含み損が膨れるからと言って、損切りを急ぐ必要もありません。多くの銘柄が高値更新するからと言って、飛びつく必要もないということです。普段通りの当たり前の事をするだけのことです。

1・3回に2回負けても損しない方法

大衆投資家は、『損小利大』を変に意識してトレードしますが、勝ち組投資家は、『損小利大』になるべくしてトレードしているので、
得られる結果は当然のように『損小利大』になっています。
ですから、大衆投資家が儲からないのは、もともとの仕組み作りやルールの組み立てが甘いと言わざるを得ません。
トレードの仕組み作りは、「勝率」と「損益比率」のバランスを考慮してルールを作ることが基本です。損が1に対して、利益が2の割合となるように仕組みを作ったとします。
これは、3回のトレードのうち2回負けても、トータルではトントンであるということです。
3回のうち1回勝つ時の勝率は33%ですから、低い勝率でも損しないというトレードが実現できます。ここで言っているのは、値幅ではありません。値幅は人それぞれ狙う銘柄にもよるでしょうし、その銘柄のボラでも違ってきます。あくまでも、利益と損失の比率を言っています。値幅の決め方は、「投資力養成プログラム」の中で詳しく解説していますが、ここでは長くなるので省略します。
最初の段階では、3回に1回勝てるように組み立てます。これはそんなに難しいことではないはずです。そもそも、相場は上がるか下がるかなので、単純に言えば50%の確率となります。
単純なんですが、そこに投資家心理が影響しますので50%の勝率を維持することは難しくなります。
勝率にこだわり過ぎると、損益比率のバランスが変わってきます。
それはそれで一つの戦略として考えられますが、ここでは、誰もが利益を上げやすい方法を考えますので、勝率より、損益比率を優先します。
すると、
「勝率33%も難しい・・・」と言う人がいます。
基本に忠実に従っていれば、33%の勝率は十分可能なはずです。なにしろ、上がるか下がるかなんて所詮50%なんですから。何も自分で考えることもなく、
「とにかく儲かる答えだけを教えろ」
と言っているようなものです。偉そうな物言いで申し訳ありませんが、甘すぎです。
確かに、何でもマニュアルとして答えが用意されているのが今の日本ですし、基準通りマニュアル通り動くことが良い行いとして会社の中でも、一般社会でも重宝されます。
しかし、相場はマニュアル通りにいきません。投資家全員が「人の裏をかいてでも自分だけは儲けたい」と悪戦苦闘している状況で、「自分にだけは儲かる方法を教えろ」という思考そのものが間違えています。
もし、33%も勝てないのであれば私から見れば大チャンスです。いつも買うところで売り、売っているところで買えば、66%以上の勝率が実現できるからです。
まぁ、
そう単純にはいきませんが、33%の勝率を維持することは、最低限の投資家としての努力目標ですし、そんなに苦労なくできるレベルの話です。

2・勝率33%でも利益につなげる方法

続いていきますが、
損が1
利が2
勝率33%
なら永遠に損はしませんが、永遠に儲けも発生しません。
利益にするには、2つの方法があります。

  1. 勝率をあげるか
  2. 損益比率を改善するか

です。
やってみればわかりますが、勝率を上げるのは難しいです。もちろん勝率が良くなるように努力しなければなりませんが、勝率をいじればいじるほど、損益比率が悪くなります。ですから、勝率は維持しつつ、損益比率を向上することを考えればいいことになります。
いわゆる、ホームランを狙います。狙うというよりは、「ヒットの延長のホームラン」を狙います。

走り続けていればランニングホームランになるのに、わざわざ途中の塁で止まらなければいいだけのことです。
「ヒットの延長のホームラン」を意識していれば、何回かに一回は、大きな利益を得ることができます。すると、「利益が10」という大きなホームランがでることがあります。
これは狙って取れるものではありません。あくまでも「ヒットの延長のホームラン」ということです。
損が1
利が2
勝率33%・・・
ならば永遠に儲けは発生しませんが、「ヒットの延長のホームラン」がでれば、それが儲けにつながります。
 

  • 利益はすぐに確定しますが、損切りはいつも遅れる。損大利小の呪縛から逃れられない。
  • 勝率にこだわり過ぎるあまり、損を認めるのが怖い。大きな損を出すことがあり、結果儲からない。
  • 損小を目指して損切りにはためらいはないけど、損切りばかりになり過ぎて、トータルでは損している。

という悩みから解放されます。
仕組み、理屈、売買ルールの背景を知っていることで、トレードが楽になります。私のクライアントで、いつまでも大衆投資家から脱皮できなかった方が、『損小利大』の売買を実現できるようになっていらっしゃいます。
つまり、『損小利大』になるべくしてなるように、仕組み作りやルールの組み立てをすればいいということです。
損が1
利が2
勝率33%・・・
を忠実に守っていれば、損することはありません。
後は「ヒットの延長のホームラン」となるように、途中の塁で立ち止まらないことです。

  • 損したくない
  • 利益を上げたい

と考えるなら、今回の話は重要です。