受講者さんから実戦報告をいただいたので、セントケアホールディングスのチャート分析をしてみました。
介護関連企業が合同で求人募集を積極化させているようです。
コロナ禍で飲食の離職者、失業者の受け皿にしようという動きがあります。3/9に報道されており、これを材料として3/10から買われ急騰した事がわかります。我々実践投資家には急騰する理由が何であれ、最終的な判断材料はチャートであって、あくまでもチャートの動きに従って売買をしなければなりません。
2017年10月の高値が意識されていることがわかります。また、その高値(前回高値)をブレイク後一気に急騰していることも読み解けます。
もし、この銘柄を監視しているなら、3/10の上値抵抗線ブレイクはエントリーするべきタイミングであって、3/10を見逃したりエントリーに躊躇したとしても、3/11の足を見てエントリーするべきでしょうね。
● エントリー候補
- 3/10の上値抵抗線ブレイクを確認して3/11
- 3/11の本格ブレイクを確認して翌日3/12
ここでちょっと考えてみて欲しいのは、3/11の足をみて買えるかどうか?
買えたとしても買いにくいでしょう。人間の心理として高値は買いにくいのは当然のこと。日頃の買い物では、できるだけ安く買おうと無意識の中に刷り込まれている(バイアスが掛かっている)。トレードでも同じで、安く買いたい。高く買いたくないと思うのは自然な事です。
でも、3/11の足を見て買ったら儲かっています。
高値更新を恐れて買えなかったり、躊躇してしまうようでは大きな利益を取りこぼす事例といえます。
もし、高値更新を買って逆行したとしても、LCが適切に設定してあるならそれ以上の損をする事はありません。損切りになったらなったで、それは必要経費と考えるべきです。
何か商売をする上での、宣伝広告費のようなもの。宣伝広告が失敗するかもしれませんが、商売をやってるなら宣伝しないと売り上げは増えませんね。
宣伝広告費も損切りも必要経費です。
3/10もしくは3/11、あるいはそれ以降でエントリーして損切りになってしまうなら、その場合は切ればいいだけの事です。適切なLCなら失敗とは言いません。
エントリーの根拠を見ていくと、上値抵抗線ブレイクしているのが3/10。これは十分根拠になります。
下値支持線を2本引きましたが、どちらが正しいというものではなく、どちらも正しい。これ、三角保ち合い上放れです。
下値支持線ですが、Aの下値支持線では3ヶ月。Bの下値支持線では4ヶ月機能しています。期間が長く信頼度は高いです。
11連騰しました。
強い陽線が続いています。高値引けした足を大引け坊主と呼びます。連日窓を開けて寄り付き、安値も高値も切り上げて急上昇。
3/23の終値が1,473円
3/10の1,000円を抜けたところから計算すると、
(1,473-1,000)=473円
2週間で47.3%の急騰です。
前回のレーザーテックでは10連騰でした。そちらでも言いましたが、「急上昇のチャートは反転下落を警戒しなければならない」と。
今回も市場参加者の心理が足組に出ていますね。
3/22の小陽線。3/23の上下ヒゲの長い十字線(正確には、始値と終値の差が5円0.3%程度の小陽線、コマ)。
この足を見てよーく考えてください。
ホルダーは、どう見ているか?どんな心理か?
高値更新をしているので損を抱える人は一人もいない。含み益は十分乗っていて手仕舞いを急ぐ必要はない。もっと上がれと思っている。だから、買いたい人を上回るほどの売りが出ない。
もし、買いを上回る売りが出たなら陰線になりますからね。
一方買いたい人。
まだ買える。乗り遅れたくないと思っているから買う人もいるが、積極的に売り物を上回るほどの買いは出ていない。
つまり、
買い ≒ 売り
(あくまでも数量ではなく勢いの差の事)
買いも売りも完全に様子見をしています。1,500円を意識していることと、高値警戒です。
この辺りで、下げると決めつけるのではなく、下げるかもしれないと警戒して逆指値注文が入っているかどうかキチンと点検し、場合によっては増し玉を整理。そして判断を先送りするために両建ての注文を出しておくか、それらの準備に入る段階。
急騰するケースの場合、ある程度目安があります。アンカーリングといいます。上値の目安を持っておくことで高値更新でも買える事になります。
今回の場合は、1,500円が目安だったと推察できます。キリのいい数字は心理的節目になります。
不確実さが支配する意思決定の場面で、安易に手に入る情報に頼りすぎる傾向をいう。人は最近の価格を意識に刻みつけ(係留)、現在の価格をそれと比較していたのだ。
と、あの本には書かれています。
ちなみに3/10までは1,000円のラインが強くアンカーリングされていた事がわかります。2017年10月の前回高値が意識されたのと、キリのいい1,000円という数字が理由です。
日経平均でも3万円の大台、3万円の大台というようにキリのいい数字が意識される事になります。
さて、3/22の小陽線。3/23の上下ヒゲの長い十字線(正確には、始値と終値の差が5円0.3%程度の小陽線、コマ)は、意識される1,500円が近づいたために小陽線、十字足になったと考えられます。
翌3/24は、窓をあけ下落し大陰線。12.6%の下落。
両建てか手仕舞いを事前に打てればベストですが、今回のケースは注文を出していたとしても、窓開け急落では約定せず、どちらにせよ、想定より大きい損失を出してしまうか、含み益を大きく吐き出すことになります。
ここで注意して欲しいのは、下落を警戒し過ぎる事。
トレンドフォローは上昇する限りついていく事を前提としており、降りることや下落を警戒しすぎて早め早めに手を打つ事は、前提条件の否定に繋がります。そうなると、50%や100%という大きな利益を取れなくなります。
週足をもう一度みます。
2020年9月の急騰後の下落、11月の急騰後の下落を見ると急騰前まで下落する事なく反転上昇しています。安値を切り上げているという事です。
これは、上昇する余地があることを意味しています。
買った人はまだ高値更新があると思っていると言うことで、一部の利食い売りが出ただけで、売り物は多くない。
したがって買われるきっかけがあれば株価は上昇する事になります。
2021年1月は、急騰前の水準まで売られて保ち合いを形成しました。
今回の3月の急騰も、急騰前まで売り込まれる事は考えにくく再上昇も十分考えられます。