円安に振れた・・・「しめしめ、輸出関連銘柄を買おう」
円高が止まらない・・・「材料海外調達の製紙業株だ」
追加金融政策・・・「金融、不動産株が上がるぞ」

ニュースや世間の噂、ファンダメンタルで
勝手に「上がる、下がると」思い込む。
これは予想や期待、勝手な思い込み願望から来る
単なる個人レベルの偏見です。


売買に偏見を持ち込んでろくなことにならないことは、
嫌というほど経験しているのに、いつまでもわからない人がいます。
相場は、個人レベルの思い込みなどで動くわけではありません。
当たり前のことですが、相場は相場の都合で勝手に動くんです。
「買ったんだから上がってくれ」と言っても、
相場が下がるときには下がるし、
相場が上がるときには上がるし、
当人の願いや思い込みには全く無関係となります。
株を買ったから「上がってくれ」と願掛けするのか?
株を買いたいから「上がるはずだ」と過剰期待するのか?
にわとりが先か卵が先かという話と同じこと。
そのようなことは誰にもわからないし
結局のところわかる必要はありません。
願掛けしたんだから、受験に受かるはずだとか、
パワースポットに出かけたんだから元気になったとか、
精神の維持コントロールで願掛けするならまだしも、
株が上がるとか、
下がるとか、
予想や期待、勝手な思い込みや願望、偏見、自分の都合。
まったくもってナンセンスというものです。
円安だから絶対に上がる?
金融緩和だから上がる?
上がるときには上がるし、上がると思っても下がる時もあるわけで、
絶対に上がるとか、そんな保証はどこにもないということ。
上がるとか、下がるとか、すべての真実を表現
しているものがタダ一つあります。
チャートです。
本当に利益を上げる投資家は、値動きにのみ興味があります。
経済評論家や批評家、アナリスト、本屋、株屋は、
相場の予想こそが商売のネタになりますが、
実践家は、予想や願望、思い込みや期待で儲けてはいません。
と言っても、
実践家でも上がると思うから買うのであって、それは
予想であり思い込みで買うということになるわけです。
しかし、予想屋と決定的に違うのは、値動きに
過度な願望や偏見を持ち込まないということです。
値動きに興味を持ち過度な願望や偏見がないので、
上がると思って下げれば、損切りするだけのこと。
上がると思って上がれば、そのまま維持するか
増し玉するだけのこと。
上がるか下がるかに過度の願望や偏見を持ち込めば、
上がる理由を探せば、上がる理由はいくらでも存在するし、
下がる理由など自分の範疇には入ってこない。
人間というのは、思い込みや偏見がどうしても働いてしまうので、
自分に有利な都合のよい事だけを聞くことになる。
たとえば、
「煙草を吸っていても自分に限ってガンになどなるはずはない」
「飲んで運転しても、今まで事故らなかったんだから・・・」
「証拠をねつ造しても今までばれなかったんだから・・・」
情報を自分の都合の良いように捉えるのであれば、
では逆に、
自分が関心のない考えもしなかった情報を捉えられるか?
自分の興味のない情報など、決して捉える事は出来ません。
野球に興味ない人が、ダルビッシュが大リーグに行こうが行くまいが
関係のない話ですし、そもそもダルビッシュって?ってことです。
サッカーに興味のない人が、欧州では誰がどこで活躍しているのか?
など知ったことではないはずです。
情報など所詮うがった見方しかできないことを知る必要があります。
大衆投資家はうがった見方が好きなので、
上がると思って買ったんだから少々下げてもいづれ上がるはずだ、
上がると思って買ったんだから利益が乗ればすぐに利食う。
このようなこととは真逆のことをしているのが実践家の売買
同じ相場を見て、同じ値動きを見ても
儲かる人と損する人がいるのはこのような考え方の違い。
このことが分かる人はわかるでしょうが、
残念なことにわからない人は永遠にわからない。
そういうものです。