「優位性の高い方に賭ける」と言えば、バクチ的に思う人もいるかもしれないが、
これは相場における売買の本質そのものである。
要するに、トレンドが継続しそうな方向に建てることではじめて利益を得られることには違いないわけで、「トレンドに乗る」ということは儲けるためには当たり前のこと。
しかし、実際にトレンドに乗れたのかどうかは、しばらく時間が経過しないとわからないことなので、建て玉する時の考え方は、「優位性の高い方へ賭ける」ということになる。

優位性とは、過去の経験上「上がるであろう」または、「下がるであろう」と思われる可能性が高い事をいう。そう考えていくと、チャートは過去の軌跡を示しているので、チャート上で優位性があるのかないのかを確認していくことになる。
しかし、それは「絶対に上がる」というものではないということ。あくまでも可能性が高いということの問題である。
このことが理解できていない人は実に多い。
自分が買った銘柄は、上がるものという期待が心の中にあるので、逆に動いた場合でも手放すことはできない。損切りできないということなので、いつか必ず大損することを意味する。
放置していても買い値まで戻すことも稀にある。いや、「稀」ではなく結構あるかもしれない。そんな経験をしているので、尚更手放せない。戻ればいいが戻らない時もあるので、それが塩漬け株になる。
たまに買い値まで戻るので2万円の損を放置する。いつか含み損が5万円になる。損を確定することを嫌うので5万円が10万円の含み損になる。そして、20万、30万と膨れ上がる。2万円損するのと、30万損するのとどっちがいいのか?と言う話しにすれば答えは単純だ。しかし、戻るかもしれないという心理が働くのでややこしくなる。
そして、少しでも利益が出た時は、早く喜びを手にしたい。少しの利益で手仕舞うことになるので、「損大利小」という大衆投資家の王道を行くことになる。
毎度言っていることだが、動物というものは、本能で生きている。
人間だから理性も働くはずだと考えていると、失敗する。
本能を優先することで、痛みを伴うことは遠ざけたいし、喜びはいち早く味わいたいということになる。
よい例が、
悪い結果が出たら怖いので、人間ドックに行きたがらない人は多い。
タバコを吸っても自分に限っては大丈夫と思い込みたがる
体重は気になるが、おいしそうなデザートが目の前にあるとついつい手が出る。
理性では分かっていても、本能を優先してしまう
このことを理解しているかどうかで、とる行動が変わってくる。
はっきり上昇トレンドとわかる銘柄を買って、上昇トレンドが終わったことを確認してから手仕舞えば良いだけの話である。それ以外は手を出さない。何でもかんでも手を出すからおかしなことになるのであって、優位性の高いことが確認できたものにのみ賭け続けていればトータルで儲かる。
では、はっきり上昇トレンドとわかる銘柄とは、上昇する期間が長く続いているものをいう。だから、長く下げている途中の反発は、上昇トレンドとは決して言わない。
5分足より、日足レベルで。日足よりも週足レベルでトレンドが継続しているものを買えばいい。もっと欲を言えば、月足レベルでトレンドが続いていれば良いが、そんなものはほとんどない。
有名なダウ理論で言われることであるが、トレンドは継続するという原則がある。上昇トレンドの途中であれば、今後も上がる可能性が高く、下降トレンドであれば今後上がる可能性は低いということ。
あくまでも可能性ということだが、可能性が高い方に賭けるのか、可能性が低い方に賭けるのかという問題は、投資家にとって一番重要な問題なのである。
正攻法は可能性が高い方に賭けることなので、純粋に勝ち組投資家は可能性が高い賭けを行っているという、たったそれだけのこと。
あくまで可能性なので、上昇すると判断して買ったものの、反転してしまったらどうするのか?
迷うことなく答えは損切り、もしくは、両建て、よりハイレベルであればドテン。
上昇するはずだとの思惑で買い建てたので、思惑と違えば自分のやりたいこととは違う。目的以外の行動に何も躊躇などする必要がない。
そこに、期待や希望、間違った思惑や思い込みを乗せるからおかしなことになるのであって、トレードで儲けようと思ったらそんなものは一切排除することが大事なことである。
あくまでも、目の前にある事実だけを捉えて判断を下せばいい。「優位性の高い方に賭けている」のであれば、長い目で見れば利益として積み上がってくるというスタイルこそが最終的に利益を生み出すことになるわけだ。
信号機が青であれば、基本、止まる必要はない。青信号で止まろうとするとおかしなことになるわけで、信号に従って素直に進めばいい。しかし、右折車が歩行者を認識せずに曲がってくるかも知れないので、青信号だけれども注意が必要である。
問題は赤信号。
赤であれば止まらなければならない。当たり前だ。
しかし、
下手な投資家に限って止まらない。
歩行者が歩いていれば車が止まるはずだと、希望・願望を込めて赤信号を突き進む。もしくは、信号機が赤だということを見て見ないふりをして、交差点に進入する。もしくは、横から車が突っ込んでくる可能性に気付きすらしない。
周りから見ていれば危なくて仕方ない。
でも、当の本人は危ないとは思っていない。
で、
前回赤信号でも切り抜けたんだから、今回も問題ないに違いないと考える人も少なくない。確かに無事に渡れる時もあるが、事故を起こしたときは信号を守らなかった歩行者側に圧倒的に不利である。
実際の道路上でこんな人がいれば、誰も得することはない。しかし、相場の世界では、そんな人の損失が誰かの利益になっているのが事実。だから、赤信号を突き進む人の存在も、実はありがたかったりする。
早い話が次の3点。

  • 本能に振り回されるのではなく、客観的であれ
  • 迷うことなく優位性に賭けろ
  • 損小利大の実践あるのみ

くどくど書いたが、当たり前の話だった(笑