成功に導く、努力と覚悟


N様からお便りをいただきました。

1・信用取引について
知り合いの株中上級者から、「現物買いだけではどうしても勝てな
い時期がでてくる。コンスタントに勝つためには信用売りもやらな
ければならない」と言われました。
初心者が信用取引をすることに対して先生の見解は?
また講習では信用取引にも踏み込むのでしょうか?
 
2・保有株について
他界した父から株券を引き継いでいます。売り損ねた銘柄も多く、
今残っているのは東電はじめ低位塩漬け株がほとんどです。
これまで、配当もあるから上がるまで待とうと気長に構えていまし
たが、これから株式投資を始めるにあたり、早めに現金化して投資
資金に回した方が良いでしょうか?
 
(途中省略)
 
私の方は普通の会社員(技術系)で、父のこともあり株は怖いもの、
株で神経すり減らすぐらいなら、本業で地道に稼いでいる方がマシ
と思っていました。
ところが、昨年急に脊椎管狭窄症で歩けなくなり、手術後医者から、
今の仕事(工場現場の製造機械メンテナンス)は止めてくれと言わ
れ、リハビリ中にいろいろ思案していました。
しかし、この年齢でデスクワークの新しい仕事など見つかるはずも
なく、11月から資金300万で株取引を始めてみました。
最初は及び腰でしたが、年初からの上昇トレンドに乗ったことと、
3月でいったん手仕舞いしたことが幸いし、23戦全勝で100万円程
儲けました。
日経平均底打ち後6月半ばから参戦し、4戦全勝ですぐに20万円程
儲けました。しかしビギナーズラックもここまで、調子に乗って7
月に「資生堂」と「J-Power」を買ったところ、ものの見事に300万円
を塩漬けにして、損切りのタイミングも逃してしまいました。
これまで、チャートにトレンドラインを引くことすらせず、株デー
タブックを頼りに勘だけで勝負していたことを反省しましたが、
この失敗で弱気になったのと、野田政権の無策ぶりでは先行き不安
で、次の株を買う決断ができずにいました。
それで、ひとまず勉強してから再トライすることにし、ネットでい
ろいろ調べているうちに先生のサイトを知り、自分の取引結果を分
析したところ、まさに先生の言われている通りで、もっと早く知っ
ていればと悔やむことしきりでした。
今私は、資金1000万円で年200万円のリターンを目標にしています。
知り合い(30代前半、一般の会社員で会社が潰れたら専業トレード
で食っていくとうそぶく中上級者)に言わせると、専業トレードで
1000万円の資金があるなら楽勝のレベルだそうです。
健康であれば、株で損しても本業で取り返せるという余裕もありま
すが、腰椎を悪くして再就職の厳しい私にとって、このレベルでも
相当なプレッシャーです。
塩漬け株を作った遠因も「虎の子の老後資金だけは取り崩したくな
い。個人年金が入ってくる60歳まで、株で儲けて家族を養わねば」
という焦りが生んだ結果だと反省し、本格的に株の勉強をすべく
受講申し込みをしたしだいです。
以上、長々と私事を書き連ねたのは、読んでもらうことより自分の
考えを整理しておきたかったからです。それでは、講習よろしくお
願いします。
 
 
◆ 信用取引、保有株について
 
意気込みのほどよくわかりましたし伝わりました。
こちらも気が引き締まります。
まず、いただいた質問から。
 
1・信用取引について
信用取引について触れることはしていませんが、信用口座はあった
ほうがいいです。売買の戦略上、売りを使えるか、使えないかで全
く違ってきます。初心者が信用取引で失敗するのは、下手にレバレッ
ジを利かせるからです。つまり、借金をして株取引をしているのと
同じということです。
株で儲けるには、安く買って高く売るか、高く売っておいて安く買
い戻すか、どちらかです。信用口座があれば、売り建てることがで
きますから、戦略上必要になることが多いです。
 
2・保有株について
これに関しては何とも言えません。その人の環境やトータルの資金
力、将来の夢、目標、家族構成、性格、生き様など様々です。
ですから言えることは、私どもの教材を含めて、さまざまな角度か
ら株のことを学んだりして、ご自身の考え方の柱となる幹をつくら
れるとよいと思います。幹、軸、ポリシーの類です。それに基づい
て、行動されるのがよろしいかと思います。
 
◆ 会社員(技術系)で本業で地道に稼いでいる方がマシ・・・
技術系というのが良いです。
私も技術系です。一級建築士を保有していますが宝の持ち腐れです(笑
技術系は、試行錯誤し工夫し、最後まであきらめないところが
株の売買には向いています。
失敗すれば、問題点を洗い出し、改善して再挑戦。
PDCAですが、永遠にこの繰り返しと思ってください。
ですから、あきらめずに、やればやるほど上手になります。
多くの人が上手になれない原因は、問題点を見つけられないことと、
簡単にあきらめてしまうことです。
ですから、どうか最後まであきらめずに挑戦し続けてください。
 
◆ 調子に乗って「資生堂」と「J-Power」で塩漬けに・・・
貴重な体験をされたと思います。
その経験も次に活かすことができれば失敗ではありません。
成功するための必要経費だったということです。
上手くいくときには、素人でも上手くいきます。
これが勘違いの始まりで、不幸を招きます。
しかし、痛手を受けて間違いに気付ければ修正できます。
相場は相手を知ることも大事ですが自分のことも知って
コントロールしなければなりません。
だから面白いと思います。
 
◆ チャートにトレンドラインを引くことすらせず・・・
「チャートをどう読み解くか?」から始めることに
気付かれたことは、貴重な気付きです。
野田政権がヘタレであろうがどうであろうが、
相場で利益を上げることとは関係ありません。
日本経済が右肩上がりなら、儲けやすいということだけですね。
上がると思った株を買えるかどうか?
上がると思って下げた時にきっちり切れるかどうか?
上がると思って上がった時に、利益を伸ばせるかどうか?
これだけです。
これだけですが、自分の感情が絡んでくるので難しくなります。
だから、面白いです(笑
 
◆ ひとまず勉強してから再トライすることにし・・・
私が先生かどうかは別にして、勉強しようと思われたことは
よかったと思います。
しかも、普通の人は楽に儲かる株を当てる方向へいってしまい、
それで失敗します。
悔やむこともあるでしょうが、失敗があったから
気付けた訳ですし、失敗がなかったら気付けず、
もっと大きな怪我をしていたに違いありません。
普通は、そのような経路をたどり、立ち上がれないほどの
ダメージを受けて消えていきます。
教材の中身を含めて私が言っていることが正しいかどうかは、
今、判断しないでください。
単なる口から出まかせを言っているかもしれませんから(笑
少し疑いの目線で勉強を進めていかれると一番いいと思います。
ですから、先生呼ばわりはご遠慮願います(笑
「あいつは、こう言っているけど、自分ならこうする。
ためしに自分が思うようにやってみよう」
というスタンスで臨めば、より多くの学びを得られるはずです。
 
◆ 資金1000万円で年200万円のリターンを目標にしています。
楽勝とは言いませんが、現実的に十分可能なレベルです。
だからと言って、気を緩めないことですし、
目標をブレさせないことです。
それと、あまり他人の言動を聞いても参考程度にして
鵜呑みにしないことです。
それに流される人もいます。
私などは、すぐその気になるタイプです。
必要なのは、自分の幹、根幹と照らし合わせ、
どう思うか、どう感じるか、自分の幹を修正するか、
自分の根幹を貫くか、ということだと思います。
 
◆ 再就職の厳しい私にとって相当なプレッシャー・・・
そのぐらいの覚悟で臨んだほうが結果に結びつきます。
プレッシャーになりすぎても問題ですが、そのプレッシャーと
上手く付き合う方法を模索することだと思います。
楽しむことだと思います。
メンタル面との戦いがあるということを
塩漬け株をつくったことで勉強されました。
今後も自分のメンタルとの戦いは続きますから、できれば
小まめにノートに控えておくぐらいのことは必要かもしれません。
ノートを見返せば、自分の成長具合がわかります。
成長できてないこともわかります。
そこから改善点が見えてきます。
株に限らず、すべてがPDACの繰り返しだと思います。
 
◆ 自分の考えを整理しておきたかったから・・・
このように自分の頭の中を整理することは大事なことです。
日誌に思いを書き連ねることでもいいでしょうし、
私宛に意気込みを報告することでも構いません。
宣言するということが大事になるわけです。
達成しなければ嘘つきになるという思いが、
苦しい時や辛い時でも行動の支えになってくれます。
相場で食っていくということは、相当な覚悟が必要になります。
チャートの向こうの人とも戦わなければなりませんが、
自分のメンタルとの戦いにもなります。
実践投資家としての実力をいかにして向上させるか?
という努力、覚悟が重要です。
そんなことも含めて、今後もこのメールでお伝えして
いきたいと思います。