映画は苦手だ。
若い頃は割と
映画を観に出掛けたものだが、
観終わった後のガッカリ感を
感じる事が多くなって、
最近はほとんど観に行かない。

そして、
もう一つ重大な問題として・・・、
2時間トイレが我慢できない(笑)
今回、ある受講者様から
「観てみたら?」とお勧めいただいた。
「この世界の片隅に」という
戦時中の広島市と呉市を舞台にした
アニメーション映画。
⇒ http://konosekai.jp/
観てよかった。
むしろ日本人なら観なきゃいけない
一本と思った。
東洋一の軍港を持つ呉ということもあり、
凄まじいほどの空襲を受けた。
そして広島といえば原子爆弾。
戦時下の暗くモノトーンな雰囲気で、
別れ、悲劇、反戦、平和のメッセージを
打ち出すのかと思ったが、
まるっきり違うものだった。
普通の日常の暮らしを丁寧に描き、
何十回と襲ってくる空襲にも、
冗談を言い合ったり。
食べるものが少ない時代に、
様々な工夫をして食卓を彩ったり。
息がつまるような時代でも、
普通の日常の暮らしがあって
日々一生懸命に生きていたんだと、
庶民目線のあの時代を教えてもらった。
灰が峯、休山など、
私が学生時代に暮らした街だけに
知った地名が再三出てきて懐かしかった。
あそこの並木道が描かれてるとか、
あの建物だとか、わかるだけに、
本当に丁寧に描いているなと感じた。
広島のあの日。
映画のシーンは鉢巻山の向こう側に
立ち上がる黒いキノコ雲として
描かれていた。
私はある時、母親に聞いた事がある。
「山の向こうに、真っ黒のキノコ雲を見た」
と。
「母もこんな風に見えてたのか」と、
幼い頃聞かされたことを思い出した。
あの暗い時代にも、
必死で日常の暮らしを生きていたんだと、
まさに「いま、ここ」を真剣かつ必死に
生きていたんだとわかった。
「いま、ここ」を真剣かつ丁寧に
生きているか?
今一度、自分自身に問いかけて
みなければいけないと思った。
鹿児島のH様には映画を観る機会を
いただけたことに感謝いたします。
そうそう、
今回も途中、トイレ休憩が入りました。
女優のんさん(能年ちゃん)の雰囲気が、
主人公すずさんにぴったりマッチしていた。
DVDを買って、何度でも
一時停止しながら、もう一度ゆっくり
観ることにしよう(笑)