売買の練習方法として、
私は二つの言葉を使っている。
1・チャートノック
そして、
2・シミュレーション
同じものと認識している人が多いので、
一度定義しておきたい。
1・チャートノック
プログラムテキスト内で解説済み。
過去でも現在でも、
ある銘柄、あるタイミングの
チャートを引っ張り出し、
そのチャートから相場参加者の心理を読み解き、
エントリータイミング、利食いタイミング、
損切りタイミングの感覚をつかむ事。
2・シミュレーション
実弾を投入しないトレードを言う。
お金を入れずに、
お金を入れてあるつもりでトレードをする。
当然、証券口座には記録されていかない。
手書きで損益や資金の増減を記録する事になる。
例えばこうなる。
今日ある株にエントリーした。
次の日、上昇し含み益が出た。
その次の日、反転下落し
当初の損切りラインにかかり
ポジションを閉じた。
このように現在の株価を日々追っかけても構わない。
また過去に遡って、
ある時期ある株価のあるタイミングで
エントリーしたとして、
その後の経過を追っかけてもいい。
同じ売買ルールを使って20トレード以上を
シミュレーションし、検証してみる。
優位性が確認できていれば、この段階では合格。
優位性とは、勝率3割で
損益比1:2を基準とするなら
損益がプラマイゼロになるので、
それで合格。
優位性を確認できていない段階で、
実弾を投下するのは無茶。
何の得も無い。
シミュレーションでは、次の項目ぐらいは
確認しておきたい。
・チャートから市場参加者の心理が読める。
・資金管理の概念を把握している。
・損切りのやり方タイミングも根拠が明確。
・銘柄選定ができている。
・シナリオが組める。
・全体相場の環境認識ができる。
・確率の知識だけでなく、本質も理解できている。
・日誌を付け反省する習慣を持っている。
・最低限、優位性の確認出来ているルールがある。
とは言っても、
シミュレーションが合格であって、
実践投資で儲かるというわけでは無い。
実弾投入後に気付けなかった苦労や、
資金減少による感情のブレという、
新たな試練を乗り越えていかなければ
ならない事は承知しておく必要がある。
本番でないとわからない事も確かにあるが、
資金を減らさず経験値を積み上げる事が
これの最大の目的。
失敗しないと修正点は見えてこない。
修正点を発見し、潰す。
また修正点を発見し、潰す。
永遠にこの繰り返し。
資金を投入すると、失敗したくなくなる。
当然だ。
お金を増やそうと思ってお金が減るから、
冷静でいられるはずがない。
すると、
うまくやろうとし過ぎることになる。
うまくやろうとしても、
所詮確率の世界のことなので
一定割合失敗することになる。
お金を減らしたくない、
もっとうまくやろうということで、
思考が混乱し始める。
これが良くない方向へと進む原因で、
素人の典型的なダメになっていく
パターンと言える。
しっかり練習すること。
練習してないオリンピック選手はいないと同じ。
練習してない実践投資家はいない。