「ポジションを持っている。
これからどうするべきか?」
このような質問は後を絶たない。


また、投資雑誌や人気ブログの記事などを見ても、
「この株をどうするべきか判断に迷っている」
という質問に対して懇切丁寧に回答している。
こう思う、あー思う、とか言っても
それは回答者の判断であって、
実際に運用する側の人の意見ではない。
質問者は、結局最後の判断は他人任せにして、
誰かのお告げにすがってさえいれば
損しても自分の責任ではなくて、
その人が言ったからと、
他人のせいにできる。

そんな状態で上達するはずなどない。

アマチュアはいつまでもアマチュアのままであり、
カモはいつまでたってもカモのままということ。
「実践で迷ってしまった時はどうするか?」
そう聞かれたとき、どう答えるだろうか?

私であれば、
「迷った時はいったん手仕舞いしろ」
と答える。

迷っているということは、
ポジションを持ち続ける理由に
ブレが生じているということ。
つまり、どう手を打つべきなのか
自信がないということ。
含み損を抱えてどうしようもない。
ここまで待ったんだから、
もう少し待ち続けよう。
とか、
なんとか上がってきたけど、
これからどうなるかわからない。
なんとなく買った株で、
この先どう手を打つのが最善なのか?
自分の判断にブレが生じているというのは
よろしくない。
心理的に負けている場合が多いので、
この先良策が打てる見込みなど、無いに等しい。
株価が下げようものなら、
さらに判断が難しくなり、
今以上に追い込まれることになる。
あの時、手仕舞っておけばよかった・・・と。
時間が経って後悔するのである。
迷ってしまうのは、
うまくいっていないから迷うのであって、
そもそもうまくいっていれば迷うことはない。
今まで我慢したんだからもう少し辛抱すれば、
買値まで戻るだろう。
とか、
ようやく含み益が出たんだ。
もっと儲けられないか?
と言うように、
「日本人特有の、もったいない精神」が、
判断を狂わしてしまうケースは少なくない。
すでに掛けたコストや労力が
惜しくて我慢してしまう。
それを見切って新しくスタートを
切ったほうが得だと思っても、
もったいないからそれができない。
これを、行動経済学ではサンクコスト効果と呼ぶ。
すでに払ってしまったコストを惜しいと思うことで
迷いが生じるのである。
惜しがって執着しても、
ほとんどの場合良い結果を招かない。
肝心なことに気付けなくなり、
将来の利益がどうなるかを
わかりにくくしてしまうのである。

  • もともと、なぜその銘柄を買ったのか?
  • なぜ、そのタイミングで買ったのか?
  • どのタイミングになると損切りするのか?
  • どのタイミングで利食うのか?
  • どうやって利益を伸ばすのか?

1つの入口と2つの出口のシナリオ
持って仕掛けなければならない。
それぞれの行動には明確な理由が必要である。
ただなんとなく、そう思った・・・では、
次の時も、ただなんとなくの行動をとるに決まっている。
つまり、相場に入る前から
シナリオを持っていれば迷うことがない。
迷うということは、シナリオを持っていないことの
証といえる。
そもそも、入口から間違っているということに
他ならないわけなので、
「迷った時はいったん手仕舞いしろ」
という答えになる。

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