リスク管理上、重要なポイントが2つあります。

  1. 資産の変動幅を可能な限り小さく設定し、その範囲内で最大の手段を講じること。
  2. 相場付きによっては大儲けできる時期もあるが、そうでない時期もあることを理解する必要がある。

1については、一言でいえば損小利大ということになります。投資をするにあたっての原理原則のようなものです。
リスクを取れるだけ取って売買したり、何の脈略もないナンピンを繰り返していれば、大儲けできるときには大儲けできますが、大損するときには大損してしまいます。その大損が、再起可能な範囲での損ならまだしも、再起不能になってしまう場合が少なくありません。
再起不能の状態からのリベンジは相当きついものがありますが、再起可能な範囲内であれば、いくらでもリベンジの道は残されています。
投資は一発必中の世界なのではなく、確率の世界です。
長い期間で考えればある確率に収束しますが、短い期間には自分の思わぬ方向へ偏ることもあり得る話です。その時に資産を失います。
『資産の変動幅を可能な限り小さく設定すること』大きく増える機会はなくなりますが、大きく減る事もなくなります。あくまでも、そのスタンスの範囲内で最大の手段を講じる・・・。
当たり前の事だと、さらっと聞き流してしまいがちですが、本気で自分の投資スタンスに取り入れ、何よりも最優先でこの原則を守り続ける必要があると断言します。
そして、2つめ。
相場付きによっては大もうけできる時期もあるが、そうでない時期もあることを理解する必要がある。
相場には、主に3のトレンドが存在します。

  1. 上昇相場
  2. 下降相場
  3. レンジ相場

そして、トレンドの強弱も併せて考えると、
1-1 急激な上昇相場
1-2 穏やかな上昇相場

2-1 急激な下降相場
2-2 穏やかな下降相場

3-1 狭い幅のレンジ相場
3-2 広い幅のレンジ相場

となります。

客観的に考えれば、いづれの相場にもマッチするオールマイティーな手法は存在しません。今使っている手法がマッチすれば儲かるし、マッチしなければ儲からない。
当たり前の話です。
だったら、今がどういう相場なのかをできるだけ的確に判断すること。言うは易しで、なかなか難しい事ではありますが、少なくともチャートには昨日までのトレンドの傾向がはっきりと足跡に現れています。
自分の手法がマッチするかどうか?これを判断して、

  • 積極的に仕掛けるべきタイミング
  • 消極的に仕掛け様子を伺うタイミング(打診買い)
  • 一切仕掛けるタイミングではない

と、見極めを行う必要があります。
”攻める”ことと”守る”ことという話しでしたが、半年、一年で一億円プレーヤーになることは非現実的ですから、あくまでも『 守備側 』にウェートを置いて取り組むことが、大事だということです。
投資力養成プログラム 第四回STEP7では、自分が売買した結果を分析することをアドバイスしています。そして、平均損益率(ペイオフレシオ)と勝率とのバランスがトータルで利益を上げるには重要であると説明しています。
STEP7の破産確率表を見れば、その理由は一目瞭然です。
多くの個人投資家は検証作業などしません。仮にしていたとしても、ほとんど意味のある分析など知らないでいます。ということは、意味のある分析作業を知るだけでも、他大勢の投資家とは一線を画すことができます。『守備側』のプレーヤーには必須項目です。