「何のために投資をしているのか?」
「何のためにトレードをしているのか?」
「何を得ようとして大事なお金をリスクにさらしているのか?」
こう質問すると、多くの人が答えるのは・・・「お金を稼ぐため」と言う。
では、
「そのお金を稼いでどうするの?何に使うの?」
家が欲しい、車が欲しい、家族を豊かにしたい、老後の安定、海外旅行をしたい、などと答えが返ってくる。
それをどうこう言うつもりはないが、結局のところ質問されたから無理やり答えているという感じで最終目的に対してピントが合ってない人は多い。
人生経験の浅い20代ならいざ知らず、40代、50代になっても、最終目的があやふやなまま投資をしたって、やられて財産を無くすだけなので、心の中では「あぁ可哀そうな人だな」といつも思う。
あくまでも心の中だけで決して言葉には出さない(微笑
 
何度も申し上げていることであるが、散歩のついでに富士山に登った人はいない。
 
去年、こんなニュースがあった。
富士山に仲間4人で登山中だった広島市内の男子大学生(22)から「風雨が強くて身動きがとれない」と110番があった。静岡県警富士宮署の山岳遭難救助隊員らが約5時間後、8合目(標高約3100メートル)付近で4人を救助した。けがはなかったが、午前4時の富士山頂付近の気温は約8度。4人は、台風12号の接近は知っていたが、いずれもフリースにひざ丈のスパッツ、スニーカーなどの軽装で、「富士山をなめていた。申し訳ない」と話しているという。
同署の発表によると、4人は「富士山のご来光を見よう」と、広島市内から乗用車で5合目に到着。3日午前1時半頃から登り始めたが、風雨が強まり、携帯電話で救助を要請した。
—以上—
 
情けない。
人の手を煩わせて救助されたとか、ヘリを飛ばしたとか、話しは飛躍するが、ひき逃げなどの事件に刑事さんが何カ月も掛って捜査を続けたりする。
「当事者が人件費やヘリのコストを払ったらどうだ」
といつも思う。
遭難するのもひき逃げするのも不注意や不心得が原因であり、それを善良な市民が負担するのはおかしい。必要なところに税金が回らずに、くだらない所に使われすぎている。このケースの場合は連絡がついたから助かったが、連絡が取れない山だったら死んでいたに違いない。
山での遭難は命にかかわるが、財産が吹っ飛ぶことは無い。
株やFXで遭難すると死ぬことは無いが、財産は吹っ飛ぶ。
死にたくなければ、準備して山に行けということであり、財産をふっ飛ばしたくなければ、準備して投資しろということになる。もっと突っ込むと、「山には行くな」「投資はするな」とも言えなくはない。
 

■ 「どうやって稼ぐのか?」よりも「何のために稼ぐのか?」

儲けるための準備が必要になることは言うまでもないし、そのことについてはあちこちで語られているので、ここでは深く掘り下げて考えることをしたい。
「どうやって稼ぐのか?」よりも「何のために稼ぐのか?」
自分や家族が豊かで幸せになることは当然のことであるが、

  • 隣の家の車と比べて良い車に乗りたい、とか
  • 同僚よりも良い家に住みたい、とか
  • 見栄を張りたいから良いバックが欲しい、とか

誰かと何かを比較して満足したいからお金が欲しいだけであって、もしかすると比較することをやめれば、お金はそんなに必要ないかもしれない。
 
都会暮らしを離れて、田舎にUターンやIターンする人が増えていると聞く。
そうすれば、いいバッグなんて必要ないし、いい服を着る必要もない。ベンツやレクサスに乗る必要もなくなるし、田舎なら家を建ててもたかが知れている。田舎でもどこでもネット環境は整うはずなので、株やFXをするのに不自由することはない。もしかすると、都会に住まなければ見栄もプライドも必要ないので、お金なんていらない。
毎月投資で100万円なんていらなくて、リスクを極力減らして5万円が安定して入れば十分かもしれない。
このように深く掘り下げて考えると、毎月100万円狙うのと、5万円狙うのと、負うべきリスクも投資手法も狙う銘柄も全く変わってくる。
つまり、「何のために稼ぐのか?」が決まらないと、「どうやって稼ぐのか?」が決まらないことになる。
 
あの忌まわしい大災害から1年が経過しようとしている。
東京近辺でも大地震がくることは間違いないと言われている。
「何のために投資をしているのか?」
「何のためにトレードをしているのか?」
「何を得ようとして大事なお金をリスクにさらしているのか?」
このことを真剣に掘り下げるいい機会かもしれない。